【体の不調編2話】20歳 鼻の違和感
1
20歳になり、ニート生活に終止符が打たれる。上京することになったためだ。
もちろん咳は続いている。この頃には言い逃れのできない『喘息』症状を患っていた。
呼吸が乱れると極端に息が細くなる。
寝起きが息苦しくしばらく咳き込む。
それでも放置し続けた。
そう、虫歯を自覚しながらも、なかなか歯医者に行かない人のように。
それも私だ。
2
上京してすぐにアルバイトを探した。働かざる者食うべからずだ。
ちょうど新規オープンする飲食店が近場にあったので、応募する。採用。
そこは某鉄板焼きのハンバーグ屋だ。
生焼けのハンバーグをテーブルに配膳し、お客様の目の前でカットする。
鉄板に押しつけてレア状態で食べていただくというもの。美味である。
1日働くと全身からハンバーグ臭、
髪の毛にはソースの香ばしい香りも染み込んでいた。
初めて鼻に違和感を感じたのはこのあたりだと思う。
ハンバーグのにおいが、たまに分からないのだ。
続き↓